「平日夜の親子食堂シュテルン」は、主に保育園帰りのお母さんたちが
子どもも(パパも)連れてそのまま立ち寄り、
その日は食事の心配をせずに、近所の家族たちとお話もできる、
そういう場をつくろうとしています。
昨年試験的に単発開催し、それなりの手ごたえがありましたので
運営メンバーを増やし、参加費用を運営も賄える程度に切り上げ、継続運営をめざしています。
そして、さらなる安定的な運営継続・拡大をめざして
今年2月から3月にかけて「いたばしボランティア助成金」の申請をしました。
「平日夜の親子食堂シュテルン」と「シュテルン 子連れヨガ部」について
それぞれの会場費と宣伝費への助成金交付を申請。
書類審査とプレゼンテーション審査を通過すると、助成金交付が受けられます。
書類は例年、ほとんどの団体が通過するようですので、実質的な重点はプレゼン。
当日ギリギリではありましたが、コンセプトをしっかり持たせた資料をつくり(自分で言う)、
プレゼンは問題なく終わったのです。
問題は、質疑応答。
ひとりの審査員さんから、価格設定を尋ねられましたので
当然のことながら正直に、直近の価格をこたえました。
「おとなの食事が1000円、アルコールが500円、こどもはおやつと食事と飲み物で500円です」
「アルコール!? ですか!? なぜ!?」
「……短い時間で打ち解けるために……金曜の夜、お茶とお菓子というよりは……」
「安全性などの問題もありますよね。その点はぜひ考え直していただきたいと思います」
その後、「アルコールってのはねー。言わなくていいと思うよ!」と助け舟を出してくださった審査員さんもいて、その場は和やかに終わったのですけど……
「無理かな! まあいいや、べつの助成金もあるし……いい経験になったわ!」と
メンバーと子どもたちと、石神井川の桜を見ながら帰りました。
あくる日。
一応HPで審査結果を見ると
「シュテルン」、申請満額の10万円、とれているではありませんか。喜び勇んでメンバーに伝え、正式な通知書が届くのを待っていた。
届いたので、早速開封。
「助成金額:10万円」
ヤッタネ!
「条件:アルコールを提供しないこと」
ガクーッ。
急きょ役員会議(LINEですが)を招集、出た結論は……
「やだ」。
結果、「食堂」部分の助成は辞退し、「ヨガ」についてのみ受けることになりました。
もちろんほかにもやり方はあると思います。
こちらからはアルコールを提供しないで参加者が自己責任で持ち寄ることにする、とか。
でもね、わたしは
「お母さんも、飲みたいなら飲む」こと、大切にしたいんです。
子連れで飲むわけですから、立てなくなるほど飲んだり、くだまいたり、する人はいません。
そこにいる子どもを忘れ去って飲む人はいません。
それこそ、会話や息抜きの、役に立つお酒です。
だったらいーじゃん。
自由に居酒屋に子連れで行くわけにも行かず、ガマンしているママたち。
母になったからには、こんな風に行動しなきゃいけない、あんな風に自制しなきゃいけない……。
もちろんそういう考えの人たちがいることを否定するわけじゃありませんが
そういう「押しつけ」を当然のものとして残していたら
日本の出生率の低下はもう、どうにもならないのでは!?(結構本気)
子どもを産み育てる社会にしたいのだったら
負担やガマンを全部ママに押し付けていたら立ち行かないよ。
「昔の人は、それでやっていたのだから」という意見もあるのかもしれませんが
今は、昔ではない。出産の状況だけだって、昔とは違います。
飲みたいお母さんが複数いるんだったら
家にしけこんで飲むよりも、たまにゃー地域交流でもしたほうが
ずっと建設的だと、わたしは思うんです。
忙しい保育園ママたちだって、地域でネットワークを持ちたいと思っている。これも事実。
働きたければ(働かざるをえなければ)、働く
飲みたければ(節度をもって)飲む
健康であればこそですが
母以外の労働人口に属する人たちで
こんなことを制限される立場、ほとんどないように思います。
実際、「パパが職場の飲み会だから、今日は家で子どもとだけ」
そんな過ごし方をする回数は、平均すれば、パパよりママのほうがずっと多いでしょう。
助成金審査の結果に不満があるわけではありません。
わたしたちだとて、「お酒代を助成してください」と言ったわけではありませんが、
この助成金は自治体主催のものですし、「飲み会で助成を受けられるんだったら」と
ほかの団体が続いてしまったら、ボランティアセンターも困ってしまうでしょう。
そして、プレゼンで「アルコール」と口走ってしまったことも、後悔はしていない。
アルコールと言わなかった結果、食堂についても助成交付が仮決定した後、「実は、飲んでるんですか!?」と取り消しになるほうが、面倒です。
でもねー新規性を問うのだったら。
「働く母向けの支援策というのは今までになく、新しい」と認めてくださったのだったら。
「アルコール」の一言で却下、ではなくて
働く母の実情に少しでも目を向けるところを見せてほしかったなー。
……という思いは、ありますね。
長い文章になってしまいました。
思えば、わたしの授乳は長かった。
子どもひとりしかいないけど、2歳半まで夜の授乳があったので、飲めず。
(卒乳時期がクラスでもお尻のほうだった。4月生まれなのに)
卒乳もケンカじみていたので、最後のほうは、ほんと飲みたかったです。お酒。
そこらへんフラストレーションがあるのかもしれません。
でもほかにもそーゆーママいると思うよ。
自分は飲まなくても、子連れで飲み会の雰囲気味わいたい人も、いると思う。
そして、お母さんが笑っていれば、子も笑う。
母たちが集まること、すなわち連れの自分たちが集まることを
楽しいと感じる子どもたちが、たくさんいます。